Endless SHOCK 2/10(昼の部)

私は過去に観劇した事もなければDVDを見た事もなくサントラを聴いた事もない、全くもってSHOCK初心者です。
あえて数多くの感想や雑誌のレポート等のネタばれ情報は頭に入れず、まっさらな気持ちで1階10列前後の席に着いて見させていただきました。
毎度まとまりのない文章ですみませんm(_ _)m
注:ネタばれを含んでおります




幕が開いてスクリーンには過去のSHOCKのダイジェスト映像が流れ、ふと気付くとオケピに生のオーケストラ奏者の皆さんせり上がってきます。
そしてそのオーケストラを操るように青く光る指揮棒を持っているのが主役の光一さん。
後ろ姿を見て「あれ、本人なのかな?」と思っていると振り向いてすぐに大きな拍手が起こります。
こんな地味な登場の仕方だとは知らなかったのでびっくりしましたが、笑顔で指揮棒を振っている光一さんは輝くオーラに満ちておりました。
何よりも驚いたのは想像以上に小柄で華奢なお姿だった事です。
2ヶ月で驚異の81公演を行うミュージカルの座長だとは俄かに信じられない程でした。
実際一幕を見終えただけでもほとんど休む暇もなく歌って踊って演じて飛んで・・・あの体の何処にそんな体力があるのかと不思議でならなかったです。
最後は長時間の立ち回りをこなしてから、ノンストップで階段落ちのシーンに入ります。
あの大階段が用意された時は緊張が走りました。
トウマに真剣で切られた後、ふらついた直後に勢いよく転がり落ちて倒れるコウイチ。
このまま幕が降りるのかと思いきや、1度立って下降するステージへと演技とも素とも取れるような足取りで前方へと移動し、背中をそらし手を挙げる大変きつい体勢をとり静止して下降をしていくので目を見張りました。
もうこれで限界ではないのかと・・・・・。


30分の休憩を挟んでの二幕。
アキヤマの夢の中での劇中劇*1では抑えた動きが多いものの、再びショーが始まると一幕同様激しくなってきます。
梯子を渡って2階に到達するフライングは見事でした。
それ以上に驚愕したのは命綱なしのフライングとパーカッションセッションです。
命綱を付けずに赤い布を2枚腕に巻き付けて短いながらも客席の上を行くこのパフォーマンスを後半に行うのは本当にキツいはずです。
ステージに戻っていく時の表情がよく見えたのですが、歯を食いしばって字の如く必死の様相でした。
苦しさも滲み出ているように見ました。
しかしそれ以上にとても強い目をしている光一さんのSHOCKに賭けている固い信念を一瞬の中に感じ取る事ができ、大きな感動を覚えました。
石川直さんとのパーカッションを駆使したパフォーマンスは期待以上の素晴らしさでした。
昔打楽器をちょこっとやっていた者としては石川さんのスネアの音に圧倒されました。
あんなに超人技を生で見聴きできて感無量です。
そして光一さんがバチを持って登場。
初めに客席に背を向けて和太鼓を一心不乱に叩いている細く筋肉のついた腕は、ここまでの疲れを微塵にも感じさせない逞しさがありました。
その後のドラムセットでのセッションでハイハットを叩いてる際は笑顔をも見受けられ、極限状態であろうにも関わらず光一さんは楽しんでいらっしゃるという事には驚くと共に深い尊敬の念を抱きました。
ラストで大太鼓8体を石川さんと立ち位置を変えながら叩き続ける見せ場も見事な技でした。


それから今回ナンバー2と演じている生田斗真くん。
こちらも期待以上の素晴らしい演技と歌とダンスを見せていただきました。
ブランクを全く感じさせないダンスも、太く情熱的な歌唱も、叫ぶことの多い台詞回しも立ち回りも、素晴らしいとしか言いようがありません。
トウマの存在感はとてつもなく大きく、コウイチへの闘争心を燃やす様は演技と分かっていても緊張が走りました。
特にコウイチへの嫉妬をむき出しに睨んだ目付きで踊ってる姿は凄まじかったです。
一番斗真くんの魅力を感じたのは、二幕でコウイチが復活してから皆で見に行くオン・ブロードウェイでのショーのシーン。
コウイチがいなくなりトウマが主役を張っているのですが、自分がナンバーワンであることに快感を覚えながら思い切りソロを歌い踊っている姿がものすっごくキラキラ輝いていたんです。
単純に曲も明るくダンサブルでアイドルっぽさもある好きな系統だったし二幕から立てている髪もめっちゃ格好良かったので、このまま斗真くんにデビューしていただきたいほどの良さでした。ファンの方にはたまらない場面だと思います。
前半ではコウイチと衝突し、後半で自分のした事に後悔するトウマ。
嫉妬深く怒りっぽいキャラクターですが、ただただ1番になりたい気持ちは痛いくらい伝わってきました。
ストレートに感情を表現する喜怒哀楽のハッキリしたトウマ役はとても共感出来ました。
その役に自分を見事投下していた斗真くんの舞台役者としての情熱と力量は並大抵のものではありませんでした。
恐らく今後多くの舞台やミュージカルからのオファーがあるのではないかと思います。
カーテンコールで妙に腰が低くて恐縮しながらお辞儀している普段の姿のギャップがとても微笑ましかったです。


勿論アキヤマさんを中心としたMAの皆さんのパフォーマンスのスキルも演技の巧さ、M.A.D選抜メンバー4人のアクロバット、そして大勢のダンサーさんの完璧な踊りにも心動かされました。
(リカ役のまりかさんについては後日ヲタクイズムに書かせていただく予定です)
素早く舞台装置を移動させたり、光一さんの降り立つ梯子を懸命に支えているスタッフさんの力にも胸が熱くなりました。




カーテンコール後の挨拶での光一さんは実に堂々とした佇まいをされ、実に晴れやかな顔をしておりました。
一体何が光一さんをあそこまで突き動かしているのだろう・・・
今まではただ「すごい」という噂と評価を聞いているだけでしたが、こうして生で拝見し出演者の皆さんの言葉では表すことのできない覇気と舞台の底知れぬ魅力を体感しました。
そして皆さんがこのステージに立つことに大きな喜びを感じていることも分かりました。
帰りにパンフレットのインタビューを熟読し、光一さんのEndless SHOCKへの愛と情熱を知り、「毎年できるものだという考えは一度も持ったことがない」「再演は僕にとってはごほうび」と言える光一さんのタフな心意気に感激するばかりです。


最後に、パンフレットにも載っている舞台の中で1番印象的だった言葉を引用させていただきます。


  俺たちはひとつ苦しめばひとつ表現が見つかる。
  ひとつ傷つけばまたひとつ表現が作れる。
  ボロボロになる、その分だけ輝けるんだぞ。


死を選ぼうとするトウマにコウイチが放つのですが、これは光一さん自身の言葉でもあるのでしょう。*2
いいものを生み出す為に自分を痛めつけることをも惜しまず精進し続ける姿、それはまさにコウイチ=光一さんでした。
素晴らしきエンターテイナーを目の当たりにできて本当に良かったです。
たくさんの感動をどうもありがとうございました!




先月は裕翔も山田くん&とっつーと見に来てそうで、過去に自分自身も出演した舞台をオーディエンス側で拝見することによってまた新たな感銘を受けたのではないでしょうか。
山田くんは憧れの光一さんの舞台という事で嬉しさも一入だったことでしょうね。
One!を通して舞台に立つ喜びを知ったと話していた裕翔、これからも様々な舞台を経験してもらいたいなぁと強く思いました。
また帝劇のステージ上で姿を拝見出来たら幸いです。
そして、いつかは座長公演も・・・・・ね!

*1:初め現実なのか夢なのか分からず戸惑いました

*2:卓偉くんの曲『イノヴェイター』の歌い出しである「苦痛を快楽に変えて始めればいい」というフレーズを連想しました…